blog -ブログ-

補助金

住宅確保要配慮者専用賃貸住宅改修事業ってなんだ?(その2)

2024.06.13

 

 

みなさん、こんにちわ。

前回は住宅確保要配慮者専用賃貸住宅改修事業の目的や要件などについてお話ししました。

今回はその第2弾として、補助金の申請手続きの流れや、補助金の上限額について見ていきましょう。

 

 

 

 

 

申請手続きの流れ

 

それでは実際に申請する際の手続きの流れを簡単に見ていきましょう。申請手続きは以下の順で進めていきます。

 

① セーフティーネット住宅への登録作業・登録通知の受領

② 交付申請の申込・申請書類の事前審査

③ 交付申請書提出

④ 交付決定

⑤ 工事に着手していないことを証明する写真の提出

⑥ 改修工事の着手・工事に着手したことを証明する写真の提出

⑦ 工事完了実績報告の事前審査

⑧ 完了実績報告書の提出

⑨ 補助金額の確定・補助金の交付

⑩ 年1回、10年間の定期報告

 

前述したとおり、補助金の申請をする際はまずセーフティーネット住宅への登録が必要となります。

登録が完了しますと、登録完了通知が発行されますので、それと併せて申請に必要な書類を作成し、交付事務局の事前審査を受けます。

この申請書類の中には改修工事の設計に関わる建築士の確認・証明が必要なものも含まれていますので、建築士にも書類作成のお手伝いをお願いする必要があります。

事前審査は工事内容などにもよりますが、一般的には大体1カ月ほどの期間がかかります。

事前審査を通りますと、いよいよ正式な交付申請書の提出です。ここでも審査がありますが、こちらの審査期間はおおむね1~2週間ほどです。

無事に審査を通過すると交付決定の通知が送られます

ただし他の多くの補助金がそうであるように、交付決定が下りたからと言ってすぐにお金が入るわけではありません。

この後、実際に工事に着手し、工事が完了して完了実績報告書を提出して初めて交付金額が確定し、補助金が交付されます。

また、工事着手前、工事着手後の現場写真を提出しなければなりません。

なぜ写真を送る必要があるかというと、補助金を受ける条件として、交付決定が下りてからでないと工事を始めてはならない、という決まりがあるからです。

交付決定前に工事に着手した場合、その工事にかかる事業は補助金の対象から外されてしまいます

ですので、補助金を利用する際には、事前に工事完了予定日から逆算して、いつまでに交付申請を行うべきか、しっかり予定を組んで申請しましょう。

補助金が交付されても、それですべてが終わりというわけではありません。

補助金受領後10年間は年1回、専用住宅の利用状況・管理状況を報告する必要があります。

補助金を受けて改修工事をした専用住宅が、きちんと目的に沿った利用がなされているかを確認するためです。

このように住宅確保要配慮者専用賃貸住宅改修事業というのは、名前だけでなく、実際の申請手続きもかなり長丁場となっているのです。

 

 

 

 

 

補助金の上限額について

 

最後に、この事業で受けられる補助金の上限額や補助率について見ていきましょう。

基本的には補助対象となる改修費用の1/3、その上限額は1戸あたり50万円までとなっています。

ただし、バリアフリー改修工事や耐震改修工事などの場合は、上限が1戸当たり100万円に、バリアフリー改修工事に関連してエレベーターを設置する場合は、上限が115万円に増加します。

また、車椅子使用者に必要な空間を確保したトイレ及び浴室等を整備する場合には上限が200万円となります。

このほか、子育て世帯対応改修工事の一環として、子育て支援施設の併設工事を実施する場合には1施設につき、最大1000万円まで上限額が加算されます。

少なくとも、補助対象工事費の3分の1、一部屋あたり最高50万円までは補助が受けられるということです。

もちろん50万円は上限額であり、工事費の3分の1にあたる金額が50万円を下回る場合は、50万円未満の金額しか補助されません。

また工事に係るすべての費用が補助の対象となるわけでなく、工事費用の中で当該事業の内容に沿った部分のみが補助対象となるので、必ずしも実際にかかった工事費の3分の1相当額が補助されるわけではありません。

 

このように、名前も構造もややこしい住宅確保要配慮者専用賃貸住宅改修事業ですが、最近の空家活用の流れを受けて、古くなって使用されていない空家をこうした専用住宅に改修して、活用する事例も増えてきているようです。

セーフティーネット住宅に登録すると、セーフティーネット住宅情報提供システムに掲載されて、広く物件を周知させることも可能です。

もし空家や空きビルを所有していて、今後専用住宅として活用したい、というお考えをお持ちであれば、ぜひ住宅確保要配慮者専用賃貸住宅改修事業の活用をご検討ください。