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遺言・相続
いまさら聞けない!遺言のあれこれ
2024.07.10
みなさん、こんにちは。今回は行政書士が取り扱う民亊法務の王道、遺言についてお話したいと思います。
今やどこの行政書士のホームページにも記事が書いてありそうな、もはや語り尽くされた感のあるテーマではありますが、なればこそ、当事務所も避けては通れないテーマだと思いますので、一度取り上げてみたいと思います。
遺言とは何か
遺言とは難しい言葉で説明すると「一定の方式で示された個人の意思に、その者の死後、それに即した法的効果を与えるという法技術」を言います。
本来亡くなった人は自分の意思を示すことができません。であれば、自分の死後に残された財産は、民法の規定に従って相続人に相続されるか、相続人同士の話し合い(これを遺産分割協議といいます)によって分配されるかのどちらかしかないはずです。
しかし、これでは亡くなった方が生前有していた意思、例えば、財産をこの人にこれだけ残したいとか、生前お世話になった施設や団体にこれだけ寄付したいといった思いを叶えることはできません。
そこで法は財産を残した人の生前の意思を、死後も実現できるよう「遺言」という制度を設けたのです。
遺言の種類
一般的な遺言には次の3種類があります。
・自筆証書遺言:遺言者が遺言書全文を自筆で書き、署名・押印する方法。ただし添付する財産目録は自筆ではなく、パソコンなどの印字でも構いません。
・公正証書遺言:遺言者が公証人と相談し、その内容を伝えたうえで、公証役場にて証人立ち合いのもと、公証人が筆記し作成する方法。
・秘密証書遺言:遺言者が遺言書全文を自分で作成し(ただし自筆でなくてもOK)、遺言書に封をしたうえで、その存在だけを公証役場で証明してもらう方法。
実際に遺言書を作成する際には、自筆証書遺言か、公正証書遺言で作成される場合がほとんどです。
自筆証書遺言は、公証役場に支払う手数料などがかからないため、費用が安いというメリットがあります。また自分でいつでも作成することができるという気軽さもあります。
反面、遺言書本文は全て自筆で書く必要があるため、例えば高齢で身体が衰えた人だと、うまく遺言書を書けない恐れがあること、また形式的不備により無効になる可能性が高いこと、基本的に自分で遺言書を保管する必要があるため、紛失や破棄、捏造される恐れがあることなどがデメリットとして挙げられます。
(ただし近年は法務局の自筆証書遺言保管制度で保管することができます)
公正証書遺言は、事前に公証役場の公証人に相談の上、原案を作成する必要があり、手間がかかります。
また、公証人に支払う手数料も発生するため費用も掛かります。さらに証人2名を用意する必要があるため、人の手配も必要となります。
このように公正証書遺言は自筆証書遺言に比べ、手間も費用も掛かります。
一方で法律専門家である公証人の助言を得ながら遺言書を作成できるため、内容や形式に不備が生じる可能性がほぼないこと、公証役場が遺言書原本を保管するため、偽造や紛失の恐れがないこと、公証人が筆記するため、心身の衰えなどにより自分で字を書くことができない人でも遺言を残せること、などメリットもたくさんあります。
厳重かつ確実に遺言を残したい場合は、公正証書遺言の方法が望ましいでしょう。ちなみに病気で入院中の方であれば、公証人が病院まで出張し、公正証書遺言を作成することもできます(ただし出張費が掛かります)。
なお、秘密証書遺言という方法もありますが、これが利用されるケースはほとんどありません。
秘密証書遺言は遺言書の存在そのものは公証役場が証明してくれますが、遺言書の中身は公証人などが確認しないため、やはり形式的不備などにより無効となる恐れがあります。
また、公証役場では遺言書本体は保管しないため、自分で保管する必要があり、そもそも遺言書が発見されないリスクもあります。それでいて公証役場に支払う手数料は発生します。
つまり自筆証書遺言、公正証書遺言それぞれのデメリットがありながら、誰にも遺言の中身が知られないということ以外、それほどメリットがないというのが不人気の理由です。
遺言を残すことが望ましい場合とは
最後に遺言を残したほうが望ましい場合について、お話します。
次のケースに当てはまる方は、遺言を残されることが望ましいと考えられます。
・お子さんがいない夫婦の方、独身の方
子供さんがいらっしゃらない夫婦や独身の方は、相続人がご両親やご兄弟になる可能性が非常に高いです。
ご自分の死後、残された配偶者の方と実家のご両親やご兄弟で遺産分割協議をするのは円滑に進まない場合がありますし、戸籍など取り寄せが必要な書類も多く、手続きが煩雑になるケースも多いです。
このような場合に遺言書が残されていると、相続がスムーズに進むことが多くあります。
・会社経営など事業をされている方
会社経営など事業をされている方の場合、お持ちの財産が預貯金・自宅だけでなく、株式や不動産、業務用機具など、多岐にわたることが多いと思われます。
この場合、通常の相続だと財産が多数の相続人に分割されて相続されるため、事業承継等がうまくいかない可能性が高くなります。
これに備えて、次に事業を任せたい方に会社経営に必要な財産を相続させるため、遺言書を残すことが有効です。
・親族関係が良くない方、複雑な方
お子さんやご兄弟などの親族間で関係が良くない方、再婚等で親子関係などが複雑な方については、ご自分の死後、相続で意見が衝突し、相続争いに発展する可能性も否定できません。
後々のトラブルを防ぐためにも、遺言を残すことで相続に道筋をつけることも必要でしょう。
相続争いと聞くと、それほど財産のないうちには関係ないと思われる方も多いかもしれません。
しかしこれもよく言われる話ですが、相続争いになるケースの3割以上は遺産額が1000万円以下となっています。
決して遺産の多寡だけで争いが起こるわけではありません。ある意味、どの家族であっても、相続争いは起こりうる問題ともいえるのです。
残された家族が平穏無事に相続できるようにするためにも、遺言を残すことはとても重要なことなのです。
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