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障害福祉

障害福祉サービスの指定って何?

2024.02.18

 

みなさん、こんにちは。
前回のブログでは、障害福祉サービスにはどんなものがあるのかについて、代表的なものを例に挙げて、ご説明いたしました。
今回は、実際にこうしたサービスを事業として始めるために必要な、行政庁への指定申請について、改めてご説明しようと思います。

 


 

障害福祉サービスの指定を受ける


障害福祉サービスの事業所を立ち上げるには、管轄する行政庁に指定申請を行い、その指定を受ける必要があります。管轄する行政庁は指定権者と呼ばれ、事業所の所在地を管轄する都道府県知事、又は権限移譲を受けた市町村長になります。

大阪府下の自治体を例に挙げますと、大阪市で障害福祉サービスの事業所を立ち上げる場合、指定権者は大阪市になりますが、羽曳野市や摂津市で立ち上げる場合は、指定権者は大阪府になります。また、岸和田市や富田林市など一部の自治体では、その地域一帯の市町村をまとめて管理する広域団体が指定申請の窓口になっています。指定申請の窓口については、大阪府福祉部が掲載しているホームページに詳しく載っていますので、一度ご確認ください。

 


 

指定を受ける要件


障害福祉サービスの指定は申請すれば誰でも受けられるというものではありません。指定を受けるためには主に以下の要件を満たす必要があります。


① 法人格を有すること
② 必要な人員を用意していること(人的要件)
③ 事業を行うのに必要な施設があること


① については、指定を受ける事業者は法人(株式会社など)でなければならない、ということです。個人事業主として事業を始めることはできません。まだ法人化していない方は、まず法人の立ち上げから始める必要があります。

 

② については、事業所が提供するサービスに対して必要となる人員を確保しているか、ということです。
例えば生活介護サービスの場合、管理者1名、サービス管理責任者1名以上、生活支援員1名以上、ほかに医師や看護職員(嘱託、非常勤でも可能)の配置などが必要となります。

 

③ 事業を行うのに必要な施設は、サービスを提供するのに適切な事業所を用意できているか、ということです。特に利用者の通所を前提とする日中活動系や就労系のサービスを提供する事業者さんにとっては、事業所となる物件の選定は非常に重要です。事業所として認められるためには指定権者が定める物件の広さや設備の基準をクリアしなければなりません。またそれ以外にも建築基準法消防法、各自治体が制定する条例などの基準に即したものでなければなりません。指定を受ける際にはこうした基準を満たしているか確認するため、各担当者による現地調査が行われます。施設の立地や雰囲気などは、その後の事業所運営にも大きく影響を与えますので、物件探しは非常に重要な要素となります。

 

これらの要件以外にも、事業所が住宅地の中にある場合など、場所によっては近隣住民への説明会を行うことが望ましいケースもあります。いずれにしても法に則り、指定権者の求めに応じて要件をクリアすることで、はじめて指定を受けられるのです。

 

なお、指定の要件とは少し異なりますが、各自治体が定める障害福祉サービスの「総量規制」についても、注意が必要です。これはサービスの質を一定のレベルに保つために、提供されるサービス量を規制するもので、この規制により、一部サービスについて、新規の指定が受けられないという場合があります。このため、事前に自治体への確認をする必要があります。


このように障害福祉サービスの指定を受けるためには、いくつものハードルをクリアしていく必要があり、一朝一夕で事が運ぶというものではありません。申請の準備を始めてから実際に指定を受けるまで、半年・一年かかるということも多いです。今後は指定を受けるための具体的なスケジュールなども当ブログにて掲載していく予定です。次回は指定の要件②(人的要件)にも出てきたサービス管理責任者について、お話していきたいと思います。