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補助金

住宅確保要配慮者専用賃貸住宅改修事業ってなんだ?(その1)

2024.06.12

 

 

みなさん、こんにちは。

みなさんは「住宅確保要配慮者専用賃貸住宅改修事業」というものをご存じでしょうか。

おそらく聞いたことがない、という方が大半ではないでしょうか。

この事業、かなりマイナーな制度で行政書士をしている人でも知っている人、扱ったことのある人は少ないのではないかと思いますが、実はこれを必要としている人にとっては、それなりに使える制度でもあるのです。

今回はちょっとマイナーな住宅確保要配慮者専用賃貸住宅改修事業について、お話していきます。

 

 

 

 

 

住宅確保要配慮者とは誰のこと

 

タイトルを見てもわかる通り、非常に長ったらしい事業名です。

ところで名称の最初に来る「住宅確保要配慮者」とは一体誰のことを指すのでしょうか。

住宅確保要配慮者とはざっくり言うと、住む家を確保するのに色々な配慮が必要な人たち、例えば、子育て世帯や、高齢者世帯、外国人や生活困窮者などを指します。

低所得世帯、子育て世帯、高齢世帯などは、家賃が良心的であることはもちろん、チャイルドフェンスの設置やバリアフリーなど、住宅の構造にも様々な配慮が求められます。

こうした配慮を必要とする人たちのための専用住宅をもっと増やしていこうという目的で作られたのが、住宅確保要配慮者専用賃貸住宅改修事業であり、こうした人たちのために既存の建物を専用の賃貸住宅に改修したら、費用の一部を補助しますよ、というのがこの事業の内容です。

要するに、住宅確保要配慮者専用賃貸住宅改修事業とは補助金事業の一つなのです。

 

 

 

 

 

補助金を受けるには

 

さて、かかる補助金を受けるためには、当然補助金を申請するための要件を満たさなければなりません。

補助金の交付申請に必要な主な要件は次の通りです。

 

① 住宅確保要配慮者専用の住宅として登録されるものであること

② 当事業による補助を受けた専用住宅として 10 年以上登録するものであること

③ 入居者の家賃額が一定の基準額以下の金額を超えないものであること

④ 入居者(世帯)が所定の世帯のいずれかに該当する者(世帯)であること

 

これ以外にも、地方公共団体の空家等対策計画等(供給促進計画、地域住宅計画等)において、空家の住宅確保要配慮者円滑入居賃貸住宅への有効活用等の推進が位置づけられていること、など複雑な要件が定められていますが、これらは自治体側で対応すべき要件であり、申請者がどうにかできるものではありませんので、まず上の4つの要件を満たしているかどうかが重要になります。

 

要件①の専用の住宅というのは、おおざっぱに言うと、「住宅セーフティーネット法」に登録されているセーフティーネット住宅であるという意味です。

各都道府県、政令市、中核市に対して、住宅セーフティーネットの登録申請を行います。

例えば大阪市内にある住宅を登録する場合は、登録先は大阪市になります。

 

そして要件②にあるように、一旦登録を受けた住宅は10年以上、その登録を維持しなければなりません。補助金がもらえたからもういいや、と途中で投げ出すことはできません。もし10年以内に登録を取り消した場合は、補助金返還の対象となります。

 

要件③については、住宅のある自治体によって基準額が異なりますので、確認が必要です。

 

要件④は高齢者、障がい者、子供を扶養している人、DV被害者など、全部で16種類の対象者が定められており、このうちのどれかの人を対象にした賃貸住宅であることが必要となります。

 

ちなみに当該事業の手引きには詳しく書いてありませんが、根抵当権が設定されている物件はこの事業の補助対象外となってしまうので、申請の際は物件の権利関係をよく確認する必要があります(さらに言うと、普通抵当権なら補助対象となるようです)。

 

 

さて、まだまだ補助金に関する説明が続きますが、少し長くなりましたので、本日は一旦ここまで。

次回は申請手続きの流れや、補助金の上限額について、見ていくことにしましょう。