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障害福祉

サービス管理責任者ってどんな人?

2024.02.23

 

 

みなさん、こんにちは。 前回のブログで障害福祉サービスを始めるために必要な指定を受けるための要件について、ご説明いたしました。 今回はその要件の一つである、必要な人員を用意していること(人的要件)の中でも、特に重要な役割を占める「サービス管理責任者」と呼ばれる人について、解説していきたいと思います。

 

サービス管理責任者とは

 

サービス管理責任者(略して「サビ管」とも呼ばれます)とは、障害福祉サービス事業所において、適切なサービスが提供されるように全体的な管理をする責任者のことです。一部の障害福祉サービスにおいて、障害者総合支援法により配置が義務付けられており、事業所の維持そしてサービス向上のために欠かすことのできない、とても重要な役職です。

サービス管理責任者の配置が必要な障害福祉サービスは、主に次のものが挙げられます。

・生活介護 ・療養介護 ・施設入所支援 ・共同生活援助(グループホーム) 

・就労移行支援 ・就労継続支援A型 ・就労継続支援B型

なお、サービス管理責任者と似たような役職に「サービス提供責任者」というものがあります。両者の違いは、サービス管理責任者が日中活動系、施設系、居住系、訓練・就労系サービスの事業所に必須の役職であるのに対し、サービス提供責任者は訪問系サービス(居宅介護など)に必須の役職となっている点です。

 

 

 

サービス管理責任者の仕事

 

このように事業所において重要な役割を持つサービス管理責任者とは、普段どんなことをしているのでしょうか。サービス管理責任者の仕事は主に次の3つになります。

・支援計画の管理

障害を持った方が障害福祉サービスを利用するには、「個別支援計画」の作成が必要になります。サービス管理責任者は個別支援計画を作成する為に、利用者の方やご家族と面談し、現在の状況などを把握して目標を設定する「アセスメント」を行います。そこで得た情報に基づき個別支援計画の原案を作成し、支援にあたるスタッフと会議を行い、利用者やご家族に個別支援計画の内容を説明します。同意が得られたら、計画の進捗状況を調査(モニタリング)し、必要に応じて計画の見直し等を行います。

・職員への助言・指導

サービスを管理する責任者として、職員のマネジメントを行います。またスキルアップを目的とした研修の企画や実施、相談を行うなど、職場全体を管理・統括する仕事をします。

・関係者や関係機関との連絡・調整

利用者に最適なサービスを提供するには、医療機関や行政などと連携して包括的なサポート体制を構築することが重要です。関係者らと連携を取り、最適なサービスが提供されるように連絡・調整を行います。

 

 

 

サービス管理責任者になるには

 

このような重責を担うサービス管理責任者になるには、次のステップを踏む必要があります。

① 実務経験を積む

サービス管理責任者になるには、まず実務経験を積まなければなりません。障害者の方が利用する施設で、相談支援業務を3年以上、又は直接支援業務を8年以上経験する必要があります。ただし社会福祉主事任用資格所有者や介護職員初任者研修修了者など、一定の資格を保有する方は5年以上の直接支援業務の経験があれば、要件を満たします。

② 研修を受講する

実務経験を積んでも、それだけではサービス管理責任者にはなれません。サービス管理責任者になるには、規定の実務経験を積んだうえで、さらに基礎研修・実践研修を受ける必要があります。これらの研修を受講して、ようやく正式にサービス管理責任者と認められることになります。

③ 資格の更新が必要

サービス管理責任者は一度取れば一生使えるというものではありません。5年に一回、資格の更新をする必要があります。具体的には更新研修を受ける必要があります。

 

以上のように、サービス管理責任者は障害福祉サービス事業所の要となる人材であり、育成には大変な時間と労力が必要です。サービス管理責任者の資格を有する人は累計で約28万人と言われていますが(令和3年度現在)、 障害福祉の現場ではまだまだ足りていないという声も聞かれます。重責を担うサービス管理責任者の方の負担を減らし、よりよい職場環境を提供できるようサポートしていくことが、福祉専門の行政書士に求められていると思います。

 

さて、次回以降は事業所運営に欠かすことのできないお金、サービス報酬の仕組みと、報酬を増やす重要な要素である「加算」について、お話していきたいと思います。