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建設業

建設キャリアアップシステムってどんなものなの?

2024.06.05

 

みなさん、こんにちは。今回は建設業界で働く技能者のキャリア育成のために導入されたシステム、建設キャリアアップシステム(略してCCUS。以下CCUSと記載します)について、お話したいと思います。


建設キャリアアップシステムは2019年10月に導入されてからすでに5年が経とうとし、技能者登録数も今年3月末時点で累計140万人を突破し、建設業界に徐々に定着しつつあります。このCCUSについて、改めておさらいしていきましょう。

 

 

建設キャリアアップシステム(CCUS)の目的とは

 

CCUSとは、技能者の資格や現場での就業履歴等を登録・蓄積し、技能・経験の客観的な評価を通じた技能者の適切な処遇や現場管理につなげるシステムのことです。

このシステムが導入された目的としてまず挙げられるのは、若手を中心とした建設技能者の確保と育成です。

CCUSでは技能者の現場経験の数や技能レベルが管理されています。

技能者が現在どれくらいの経験を積み、どれくらいの技能レベルを身に付けているのか客観的に把握することができるので、これを活用すれば、技能者がその経験や技能に見合った正当な待遇を受けられるようになり、将来のキャリアパスも描きやすい、なので仕事を続けレベルアップに励む技能者も増える、というわけです。

 

CCUSのもう一つの目的は、現場管理の効率化です。

たとえばCCUSには技能者の社会保険加入状況が登録されているので、現場に入っている技能者の社会保険加入状況をすぐに確認することができ、社保の管理もやりやすくなります。

このほか、施工体制台帳や作業員名簿の作成にも使えるので、面倒な事務仕事を簡素化できることも、現場管理の効率化につながります。

 

 

 

 

 

 

CCUSの利用方法とキャリアアップカード

 

ところで、CCUSはどのようにして技能者の情報を管理しているのでしょうか。

CCUSを利用するためにはまず、事業者・技能者の登録手続きが必要です。登録方法にはインターネット、郵送、窓口の3種類の方法がありますが、多くはインターネットを経由して登録を行います。

この登録手続きが意外に面倒で、行政書士に登録手続きの代行を依頼するケースも多くあります。

また登録には技能者、事業者ともに手数料もかかります。手数料は事業者の規模によって金額が異なります。登録した後も、利用料を毎年払わなければなりません。なんだかんだお金もかかるシステムなのです。

 

さて、晴れて技能者の登録が完了すると、技能者あてにキャリアアップカードというものが交付されます。

技能者はこのカードを持って現場に赴き、そこでカードリーダーにカードを読み込ませます。

こうすることで、技能者の現場での実績が蓄積され、その技能者の現場経験や技能レベルの管理に利用されるというわけです。

カードは技能者のレベルごとに色が変わり、最高レベルまで行くと色がゴールドになります。カードの色を見ただけで、その技能者がどれくらいの経験と技能を有しているのか、すぐわかる仕組みになっています。

 

 

 

 

 

 

CCUSと外国人技能者

 

CCUSは2019年に国土交通省から鳴り物入りで導入されたシステムです。

ただ導入直後にコロナ禍が直撃したこと、業界への周知が徹底していなかったこと、登録にかかる項目審査が厳格であり、個別の登録がスムーズに進まなかったこともあり、長らく登録数も伸びず、目標の数値を下回っていました。

しかし、今後の建設業界ではCCUSの導入がより大きな意味を持ってくると思われます。というのも現在建設業界を支えている大きな人材の一つである、外国人技能者の受け入れにはCCUSの登録は必須だからです。

外国人技能者のCCUS登録義務化は、令和2年から始まりましたが、先ほども述べたように丁度その時期コロナ禍が直撃したため、期待されたほどの登録者数の伸びはありませんでした。

しかしアフターコロナに突入した今、建設業界を支えていくためには、現状外国人の力を借りる必要があります。実際外国人労働者を受け入れるために、それまでやっていなかったCCUS登録を進めている業者さんもいらっしゃいます。


正直、今一つメリットが見えにくい部分もあるCCUSですが、建設業界の人手不足が進んでいる現在、その存在感がどんどん大きくなっていくように思えます。